不安が嫌いな美容師さんへ

人がシゴトで成長するというのは、結局のところ今までにできなかったことができるようになること。また、それによって今まで見えていなかったことが見えるようになり、視野が広がる・視座が高まるということだろう。

美容師で例えると、美容学校を卒業し、サロンで働き始める。シャンプーから練習し始めて、いろんな技術をマスターしていくよね。その繰り返しによって、よりステキなシゴトができるようになっていく。物凄いスピードで、どんどん成長していったはずだ。

要するに自分のコンフォートゾーンを超えて、新しいシゴトにチャレンジし続ける人が、長い目で見た場合に成長するわけ。それらをプレッシャーに感じたり、辛いと思った人たちが美容師を辞めていった理由の一つかもしれない…

不安にならない行動範囲のことを指すんだ。『昼食を作る、通勤する、掃除をする』というような、いつもやっていることを頭に思い浮かべて欲しい。不安になったり心配したりしない、慣れ親しんでいる毎日の行動は、コンフォートゾーンの一部だと言える。新しいことに挑戦するような時は、｢コンフォートゾーンの外に出る｣という言い方するんだ。

技術者としてある程度出来上がってくると、コンフォートゾーンから抜け出せなくなってくる。古い体質の職場で働いていると、既存の制度や人間関係のしがらみとかで、ちょっとした改善案なんかもなかなか実施できない。働いてる人が成長するのに時間がかかってしまったり、妨げたりしていることがよくあるよね。

見方を変えるとコンフォートゾーンは、安心で安全かもしれない。

キミの周りにいる人たちを見渡してみてほしい。（美容師以外の人を含めて）

年齢がいっている人ほど、同じ色の服を着る。同じ商品を好む。いろんなシーンで変わらない生活スタイルを好む…….コンフォートゾーンで生きている人が多いだろう？　美容師だってそう。同じ技術で、同じ薬剤で、同じ環境の方が安心だから、失敗の確率が少ないコンフォートゾーンでなるべくなら、やっていきたいんだ。

歳をを重ねていくと不安が嫌いなんだ。しかし、成長が止まってしまう。

30才を超えた技術者は、これまでの概念を大きく、ココロ揺さぶられるような価値ある経験が積めるような環境に自ら挑戦してほしい。それはつまり、不安との戦いだ。また成長の始まりでもある。

だって、世の中は目まぐるしく、激しく、そして物凄いスピードで変化している。その変化を先取りできる人が、その世界での成功者になるのかも。成功者でなくても、いい。最低でも世の中の変化についていけるぐらいには、なっておかないと。

40-50歳代は何とか誤魔化して生きていけるのよ。コンフォートゾーンの外に出ているかどうかが顕在化するのは、60歳を超えたあたりかもね。

そんな先のコトを言われたって….そんな声が聞こえてきそうだけど、80歳のおじいさんや、おばあさんになったときにいろんなコトにチャレンジしている人は輝いて見えるもの。

少なくとも、美容師はファッション（流行）の世界でシゴトをしていかないといけないでしょ。常に新しいデザインが生み出されて、挑戦し続けないといけない業界なはず。

転職や独立開業などは正に、コンフォートゾーンの外に出るコトになる。そして必ず、何がしらの経験が積めるはずだ。失敗したっていいの。失敗という経験を積み、次により良い選択ができる経験値が上がったんだ。若いうちにたくさん、失敗という経験を積んでおいたほうが絶対にいい。

なぜなら、年齢を重ねるほどに自分の時間は失われていくからね。女性なら、子供ができて家事と仕事、子育てに追われて学ぶ時間を捻出するコトはまず不可能だ。男性ならそれなりの管理職になればなるほど、仕事量が増えて、疲れて学ぶ気力や体力がなくなっているかも。年齢というより、これからどうしていくかを逆算して学ぶのが一番いいかも。

失敗するかもしれない不安があるから、克服しようとする過程が成長するんだ。
今のままが楽（ラク）なのは、わかる。誰だって楽（ラク）したいもん。

若いうちに楽（ラク）すると後が長続きしないよ。

コンフォートゾーンの外に出よう。