ヘアーカミシがオープンしてたった1ヶ月。
完全マンツーマンに切り替えた理由は、癌を患っておられたご新規との出会いでした。
私の美容師人生を大きく変えた出会いです。
完全マンツーマン
だからできるシゴト。
完全マンツーマン
だからできるシゴト。
出会い。
DAYS
June 25, 2008,
21: 00
蒸し暑い夜だった。
この日の最後のカットがいまだに人生最高の仕事と言える。
後にも先にも、この日の仕事を超えることはできていない。
開業間もない30日後のことだった。
完全マンツーマンのシステムに大きく変更したのは、またいつの日かこんな仕事がしたいと考えたから….
この日最後の
お客様の告白。
肩より長いミディアムレングスの30才前後の女性のご新規だった。ゲストが開口一番、こう言った。
「ショートにします。なるべく短く似合うようにお願いします。何が似合うのかわからないので相談したいです。」
ゲストが発する言葉のテンションがあまりに低くて、少し疑問に思った。
…このゲストは、本当にショートにしたいのだろうか?…ショートといっても、ベリショからアゴラインまであるし…
「ミディアムレングスからいきなりショートではなくて、段階的にショートを楽しんでみては?」
そういうスパンで考えて、サイドがアゴラインよりやや短いレイヤースタイルを無難に提案した。
「もっと短くお願いします。」「……….」
「では、あなたには目力があるし、○○○○○○な感じでどう?とても似合いますよ!」「………」
「自信がありません。本当に似合いますか?」「……..」
いくつか他スタイルを提案してはみるものの…..ゲストがいまいち乗り気ではなく、30分ほど時間を費やしていた。
….本当は短くしたくは、ないんじゃないだろうか?…..
こんなやり取りをしている中で、ゲストが話し始めた。
「実は….私、癌なんです。抗がん剤治療が始まるので、ドクターから髪の抜け毛でショックを受けるので、
なるべく髪を短くしておいたほうが良いと言われて髪を切りに来たんです。」
好みを無視。
迷いなく、
言い切る。
私は思った。
…短くして、必ず喜んでいただかなければならない。提案に迷いがあってはならない。
ゲストの好みは無視する。「似合います!」と言い切るために、自分が似合うと思うものだけを提案しよう….
「では、もっと短くしましょう。サイドは耳たぶが見えるぐらい、前髪は眉が見える長さでアシンメトリーに。
トップも簡単に立つ長さの6cmぐらいの短さでいきましょう。あなたなら、必ず似合う。任せてほしい!」
「大丈夫ですかね?」「大丈夫!必ず似合わせます!」
ネガティブな気持ちを
ポジティブに変える。
この時のカット中のアドレナリンの分泌は、過去に経験したことのないものだった。
終始無言でカットして、最終工程のドライカットでゲストの顔がどんどん明るくなっていった。
そして笑顔で、「私、ベリーショート、いけますね!嬉しい!テンション上がる!やる気が出てきました!」
ショートにしたくないネガティブな気持ちのゲストを、ヘアスタイルを通じてポジティブな気持ちに変えられた。
これから抗がん剤治療をしていくゲストが、前向きに進んでいけるお手伝いができたような気がした瞬間だった。
ゲストに「絶対に似合います!」と言い切った言葉の強さは、後にも先にもこの日が史上最高だった。
もし、私に迷いが1mmでもあったなら、ゲストはベリーショートにしなかったかもしれない。
心を想像する。
言葉を紡ぐ。
未来を明るくする。
カウンセリングが始まってからの最初の30分は、「こんな感じででどう?」そんなライトな提案だった。
この日のゲストへの提案する言葉には「力」が必要だった。
ライトな提案ではなく、任せてみようと安心して思える「力」が必要だった。
普段の営業でこの時のテンションで提案したら、ほとんどのゲストは押し付けがましいと感じるだろう。
- カウンセリングでゲストの心を想像する。
- ゲストとの空気を読んで言葉を紡ぐ。
- デザインでゲストの未来を明るくする。
この日の最後のカットがいまだに人生最高の仕事なんだ。
後にも先にも、この日の仕事を超えることはできていない。
人生でそう何回もこういうシゴトができるとは思っていない。身がもたないからね。
ヘアーカミシがオープンしてたった1ヶ月で、完全マンツーマンに切り替えた理由です。
カミシ
の理念。
この貴重な経験から、カミシの理念=ミッションが生まれたんだ。
こういう熱い仕事がいつでもできる環境でありたい。
完全マンツーって、すげえ奥が深くて面白いよ。
「ヘアデザインとその向こう側へ」
◆
私たちのミッションはすべての人へ、
”自らでは気づけないヘアデザイン”
を提案することで、より快適なスタイリングで、
より素敵なデザインを生み出すこと。
◆
そして、すべての人が、
そのヘアデザインの向う側にある、
行動の変化や充実した生活を楽しむことができる、
”新しい自分”へのお手伝いをすることです。
出会い。DAYS
June 25, 2008, 21: 00
蒸し暑い夜だった。
この日の最後のカットが、いまだに人生最高の仕事と言える。後にも先にも、この日の仕事を超えることはできていない。
開業間もない30日後のことだった。
完全マンツーマンのシステムに大きく変更したのは、またいつの日かこんな仕事がしたいと考えたから….
この日最後の
お客様の告白。
肩より長いミディアムレングスの30才前後の女性のご新規だった。ゲストが開口一番、こう言った。
「ショートにします。なるべく短く似合うようにお願いします。何が似合うのかわからないので相談したいです。」
ゲストが発する言葉のテンションがあまりに低くて、少し疑問に思った。
…このゲストは、本当にショートにしたいのだろうか?…ショートといっても、ベリショからアゴラインまであるし…
「ミディアムレングスからいきなりショートではなくて、段階的にショートを楽しんでみては?」
そういうスパンで考えて、サイドがアゴラインよりやや短いレイヤースタイルを無難に提案した。
「もっと短くお願いします。」「……….」
「では、あなたには目力があるし、○○○○○○な感じでどう?とても似合いますよ!」「………」
「自信がありません。本当に似合いますか?」「……..」
いくつか他スタイルを提案してはみるものの…..ゲストがいまいち乗り気ではなく、30分ほど時間を費やしていた。
….本当は短くしたくは、ないんじゃないだろうか?…..
こんなやり取りをしている中で、ゲストが話し始めた。
「実は….私、癌なんです。抗がん剤治療が始まるので、ドクターから髪の抜け毛でショックを受けるので、なるべく髪を短くしておいたほうが良いと言われて髪を切りに来たんです。」
好みを無視。
迷いなく、
言い切る。
私は思った。
…短くして、必ず喜んでいただかなければならない。提案に迷いがあってはならない。
ゲストの好みは無視する。「似合います!」と言い切るために、自分が似合うと思うものだけを提案しよう….
「では、もっと短くしましょう。サイドは耳たぶが見えるぐらい、前髪は眉が見える長さでアシンメトリーに。トップも簡単に立つ長さの6cmぐらいの短さでいきましょう。あなたなら、必ず似合う。任せてほしい!」
「大丈夫ですかね?」
「大丈夫!必ず似合わせます!」
ネガティブな気持ちを
ポジティブに変える。
この時のカット中のアドレナリンの分泌は、過去に経験したことのないものだった。
終始無言でカットして、最終工程のドライカットでゲストの顔がどんどん明るくなっていった。
そして笑顔で、「私、ベリーショート、いけますね!嬉しい!テンション上がる!やる気が出てきました!」
ショートにしたくないネガティブな気持ちのゲストを、ヘアスタイルを通じてポジティブな気持ちに変えられた。
これから抗がん剤治療をしていくゲストが、前向きに進んでいけるお手伝いができたような気がした瞬間だった。
ゲストに「絶対に似合います!」と言い切った言葉の強さは、後にも先にもこの日が史上最高だった。
もし、私に迷いが1mmでもあったなら、ゲストはベリーショートにしなかったかもしれない。
心を想像する。
言葉を紡ぐ。
未来を明るくする。
カウンセリングが始まってからの最初の30分は、「こんな感じででどう?」そんなライトな提案だった。
この日のゲストへの提案する言葉には「力」が必要だった。ライトな提案ではなく、任せてみようと安心して思える「力」が必要だった。
普段の営業でこの時のテンションで提案したら、ほとんどのゲストは押し付けがましいと感じるだろう。
- カウンセリングでゲストの心を想像する。
- ゲストとの空気を読んで言葉を紡ぐ。
- デザインでゲストの未来を明るくする。
この日の最後のカットがいまだに人生最高の仕事なんだ。後にも先にも、この日の仕事を超えることはできていない。
人生でそう何回もこういうシゴトができるとは思っていない。1日に1回あったら身がもたないからね。
ヘアーカミシがオープンしてたった1ヶ月で、完全マンツーマンに切り替えた理由です。
カミシ
の理念。
この貴重な経験から、カミシの理念=ミッションが生まれたんだ。こういう熱い仕事がいつでもできる環境でありたい。
完全マンツーって、すげえ奥が深くて面白いよ。
「ヘアデザインとその向こう側へ」
◆
私たちのミッションはすべての人へ、
”自らでは気づけないヘアデザイン”
を提案することで、より快適なスタイリングで、¥より素敵なデザインを生み出すこと。
◆
そして、すべての人が、
そのヘアデザインの向う側にある、
行動の変化や充実した生活を楽しむことができる、”新しい自分”へのお手伝いをすることです。